なぜ私は10kgものリバウンドを繰り返し、そして最後のダイエット法にたどり着いたのか。その原点は、思春期まで遡ります。
当時、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と中学3年生で診断された私は、周りと違う体質に小さなコンプレックスを抱いていました。
生理不順などの不安から受診し、産婦人科で処方されたクロミッド(排卵誘発剤)を服用。
医師からは太ることはないと言われていたものの、ホルモン変化に伴う猛烈な食欲増加とむくみに襲われ、わずか2ヶ月で10kgも増加してしまいました。
その後も、生理不順への焦りから受けたホルモン注射などで激太りを何度も繰り返すことに。
ホルモン療法で太ると通常の体重増加に加えて腰回りのお肉など、落ちづらかった記憶があります。
脂肪細胞の数が増えやすい時期は、
① 乳幼児期
② 思春期(中高生頃)
③ 短期間での著しい体重増加(10kg以上の急速な増量)の3つと言われており、
当時の私の状況は、まさに脂肪細胞の数が爆発的に増えやすい条件が揃っていたと言えます。
さらに一度増えてしまった脂肪細胞の数は基本的に減らないといわれています。
そんな脂肪細胞たっぷりの22歳の頃、履いていたデニムが破けるというショッキングな出来事が発生。
漫画のような屈辱を味わったことで、ついにホルモン療法の中止と本気のダイエットを決意しました。
断食道場など、ありとあらゆる方法を試す中でたどり着いた、太りやすい体質(インスリン抵抗性)のための最後のダイエット法と心得は以下の通りです。
1. 自分のリアルな体型を客観的に知る
単に痩せたいという漠然とした気持ちでは続きません。当時170cmあった私は、スタイルが良いねではなく、「がたいが良いね」、「でかいね」と言われていたのを覚えています。太っていると言われたわけではなかったので、自分は別に太ってはいないんだと思っていましたし、その時はまだ、太っていない=痩せているわけではないという方程式を知らずにいました。
例えば、電車で座席に座る際に、どうしても隣の人と肩がぎゅうぎゅうにぶつかってしまい強制的に猫背になる状況でも、自分は肩幅が広いからぶつかるんだと納得させようとしていました。
しかし、ある日お気に入りのデニムを履いてしゃがもうとした瞬間、再現VTRなどでしか見たことのないデニムが裂けるという屈辱を機に、これは骨格の問題ではなく肉なのだと冷静に認めざるを得なくなりました。
本当に痩せたい場合は、自分が太っているかを同性の友人に尋ねることほど無意味なものはありません。
女性は無意識に標準的な健康体重で判断しますし、良心もあるので相手の自己肯定感を下げるような厳しい意見を求めるのは難しいからです。
だからこそ、周囲から実際にどう見られているかという現実に向き合えるかが重要です。
自分のリアルな体型を客観的に知って初めて、揺るぎない決意が固まります。
多様性の時代に周囲の目を持ち出すのは違うと思われるかもしれません。しかし、インスリン抵抗性の特性を持っている方や、標準体重の範囲内であっても、体に不調が出始めている方は多く存在します。健康に不調が出ているのにもかかわらず、いつもダイエットが続かないといった悩みを抱えている人にとっては、あえて周囲の目を気にする(利用する)ことで、やる気スイッチが入りやすくなり客観的に自分の体型を把握することで、継続しやすくなります。健康に支障が出ている方や、デニムが破けるといった屈辱を味わった人にとって、痩せるということは決してネガティブなことではありません。
※健康被害が出ていない方やすでに痩せている方は真似しないでください。
映画『ダウンタイム』でも描かれていたように、女性という生き物はいつまでも美しくありたいという神秘的な志向が根付いていると私は考えています。
実際、当時の痩せる決意をしたときに励まされた言葉があります。
それは、
「3万円の服を買うよりも3kg痩せよう」
「ダイエットが一番の整形」
コンプレックスやもっと美しくなりたいと思う方にとって、薬などに頼らず、自分の意志で理想の体型を手に入れるという達成感はこの上ない自信になりますし、心も体も内側からきれいになることで幸福度は上がると考えています。
ただし、どんなときも自分自身が一番のパートナーとして、どんな自分も受け入れ愛するということが心の健康の鍵となるでしょう。
2. 初期に長期間の断食を行わない
最初から3日などの長期断食を設定すると、欲求に負けて挫折しやすくなります。まずは1日断食で胃を小さくし、食べ物への欲をリセットすることから始めましょう。
3. 糖質をコントロールする(ヴィーガン風の食事)
多嚢胞性卵巣症候群特有のインスリン抵抗性を持つ体質は、少量のごはんでも吸収して太りやすいため、普通の人以上に糖質管理が必要です。
- 主食: ピンポン玉サイズの玄米(または玄米入り白米)をまとめて作り冷凍。1日1〜2個に抑える。
- 副菜: しらたきを入れた野菜鍋(ポン酢でさっぱり食べる)、納豆、豆腐などのヴィーガンに近い食生活を徹底。お肉の味を遠ざけ、食欲のスイッチを入れないことがポイントです。
ここで注意していただきたいのは、いきなり極端な糖質制限をし始めると、体がショックやストレスを感じて低血糖のような症状(強いめまいやふらつき)が出ることがある点です。危険や体調の異変を感じたときは無理をせず、ブドウ糖を少し口に含んで速やかに調整してください。
※なお、清涼飲料水などに多く含まれる果糖ブドウ糖液糖は吸収率が非常に高く、インスリン抵抗性がある方や血糖値が気になる方にとっては肝臓への負担や血糖値の急上昇を招くためできるだけ避けることをお勧めします。調整の際は、ラムネを1-2粒など(単体のブドウ糖が含まれているもの)を選ぶことをおすすめします。
4. 2週間乗り切ったら動物性タンパク質を追加する
2週間ほどで見た目が変わり、ストイックな意識が定着してきます。客観的な視点を保てていれば食欲も落ち着くため、ここから徐々に鶏肉などのタンパク質を取り入れていきます。
なお、極端な制限による栄養不足を防ぐためにも、日々のベースとして栄養バランスに優れたスピルリナのようなスーパーフードを併用し、体に負担をかけない形で整えていくことを推奨しています。
5. 20日間続けて習慣化する(ダイエットに終わりはない)
リバウンドとは単にダイエットをやめて以前以上に食べた結果です。人間は20日間続ければ行動が習慣化されると言われています。1週間で痩せるではなく、まずは20日間継続すること。そして、その食習慣をずっと続けていく意識を持つことが大切です。
6. 自分の「切り替わり体重」を把握する
ある一定の体重を超えると、脂肪細胞自体が膨らむだけでなく、その限界を超えると細胞の数そのものまで増えてしまう太りやすさのスイッチ(負のループ)が入ります。反対に、しっかり痩せている状態を作れると、脂肪細胞もしぼんで働きが落ち着き、太りにくくなります。
自分が「何キロを超えると太りやすくなるか」のボーダーライン(切り替わり体重)を知り、そこを超えない管理が重要です。
たとえば当時食べていたメニューを、何年もかけて適正体重が定着した今の私が食べたとしても、一気に脂肪として溜め込まれるわけではありません。体重の大きな変動も起きにくく、増えたとしても簡単に調整して元に戻せるようになります。正しく痩せて巡りを整えるということは、単に数字を減らすだけでなく、少しの食事量では揺らがない、太りにくい体質を作るということなのです。
すぐにダイエットをやめてしまうと体は元の体重に戻そうとします(ホメオスタシス)。だからこそ重要なのは、痩せた体重を定着させ、体をその状態に慣れさせることです。
振り返りと教訓
当時の過酷なダイエットでは太る恐怖からここに記載していることよりも極端な制限を行い、明らかに栄養が不足していました。
「太りたくない、でもパワーと美しさは欲しい」――あの頃の私が欲しかったのは、体に余計な負担をかけず、自然の恵みで栄養を満たせる存在でした。もし当時、太らずに体を強く美しく整えられる植物由来の栄養(スピルリナなど)を取り入れられていたら、もっとポジティブに体と向き合えていたと感じています。
※上記は健康体やすでに痩せている方は真似しないでください。あくまで太りやすい体質や、肥満によるお悩みを抱えている方向けの体験型ダイエットアプローチとなります。
最後に
ダイエットの前でも後であっても、どんな自分も受け入れて愛するということが、心と体の健康、そして幸福へとつながっていくでしょう。
